乾燥を軽減する「水光注射」治療

美肌の基本は潤い。水分をたっぷりと蓄えた肌は、エイジングケアにも役立ちます。 ところが、年を重ねるうちに肌本来が持つ水分を蓄える力は衰え、カサつきやしぼみ、しわといった肌トラブルを引き起こします。 毎日保湿ケアをしていても、肌そのものが潤いをキープする力を失っていては意味がありません。そこで、クリニックで肌の底力を上げるケアを試してみては? いろいろなメソッドがありますが、今回は「水光注射」をご紹介します。水をたたえたような、つややかでしっとりした肌に導く「水光注射」とはどういうものなのか? 仕組みやメリットなどを教えていただきました。

教えていただく医師
教えていただく先生:高須クリニック名古屋院 高須英津子医師

URL:https://www.takasu.co.jp/clinicmap/nagoya.html

Q1. どうして肌は乾燥するのでしょうか?

A 本来は、自分の皮脂を生み出して肌上に天然のクリームを作って潤します。しかし、皮脂を生み出す力がない人、たとえばアトピー性の肌質の方などがわかりやすいですが、肌がカサつきます。そして乾燥を感じると、修復しようとして肌の細胞の生まれ変わりが過剰に早くなります。すると、未完成の細胞がどんどん作られ、粉をふいたような感じになるのです。
つまり、潤いがある肌は、皮脂を作り出す力と細胞を生み出す力のバランスが大事になります。肌は、一番外側で外的刺激から内側の細胞などを守るバリア機能として働いています。肌が過敏になると「外敵が来た!」と警報が発信され、それを排除しようとしてかゆみが出るのです。
また、夏に紫外線をすごく浴びた後も、乾燥しやすかったり小じわ増えたりしますよね。
さらに、湿度が低くなる季節も肌が乾燥する原因のひとつ。若いころは自らの肌が作り出すヒアルロン酸などの潤い成分で対応できていたのが、加齢で肌機能が衰えてくるとカサカサしてきます。

Q2.加齢も乾燥の原因になりますか?

A 先にも少し触れましたが、女性ホルモンがあるうちはさまざまな防衛システムが働くものの、40歳を過ぎたあたりから作られるホルモン量が減ってくるので、髪も薄く、爪も弱くなります。そして、潤い成分も減る。女性特有のやわらかさは女性ホルモンで作られるので、なくなってくるとゴツゴツして男性化していきます。それをどう補うかといえば、クリームをつけたり、ヒアルロン酸を注入するといったケアになりますね。

Q3.乾燥治療にはどのような治療法がありますか。いくつかあるようでしたらそれぞれ詳しく教えてください。

A 「フォトフェイシャル」や「点滴」があります。
「フォトフェイシャル」は、特殊な光を肌に当てて、肌の生まれ変わりをコントロールします。加齢によって代謝が落ち、28日といわれる肌の生まれ変わり周期が40歳くらいだと約40日になりますが、「フォトフェイシャル」でピーリング、いわゆる古く厚くなった角質を取り除くことで、保湿アイテムが浸透しやすくなります。
また、「フォトフェイシャル」の刺激で、肌の生まれ変わりが規則正しくなり、健康な肌になってバリア機能が戻ります。そうなると、乾燥や少々のダメージを受けにくくなります。
「フォトフェイシャル」は、ほかにも美肌効果があります。シミやくすみもなくなりますし、コラーゲン生成もするので肌にハリ感が出て肌そのものの調子もよくなります。
ちなみに「フォトフェイシャル」は1回目の治療の翌日には、肌はつるつるしっとりするのを感じられるでしょう。もちは1ヶ月ほど。毎月治療してももちろん良いですが、少なくとも季節の変り目などに、年4回がベター。たとえば、花粉症で肌が敏感になる人は肌荒れがリセットされて、調子がよくなるということもあります。

「点滴」は、ビタミンC、プラセンタ、ビタミンBやEなどがありますので、肌調子を診てカウンセリングします。点滴はダウンタイムもないですし、栄養をダイレクトに補うので1回の治療で効果てきめんです。「点滴」は「フォトフェイシャル」と一緒にされる方が多いですね。肌のダメージが大きい人ほど結果も大きいと思います。

Q4.「水光注射」で乾燥治療ができると耳にしました。こちらも詳しく教えてください。

A 「水光注射」は5年ほど前からある施術です。当院の水光注射「ダーマシャイン・バランス」は、手打ちではなく専用の美肌マシン。1ショット9針なので、スピーディに均一に施術可能です。
水光注射「ダーマシャイン・バランス」には、アンチエイジングとホワイトニング作用があります。どちらもベースはヒアルロン酸です。形成する硬いタイプではなく、柔らかいヒアルロン酸を肌の浅い部分に入れていき、ツヤと弾力のある、みずみずしい「水光皮膚」に導きます。
アンチエイジングは、そこにビタミン剤やアミノ酸など肌に栄養を与えるものをミックスします。そして、ホワイトニングはビタミンCやトランサミンなど美白成分をミックスします。どちらもヒアルロン酸が入っているので、目元の皮膚が薄くて小じわが気になる人には、目元に重点的に入れます。ヒアルロン酸が入っているので、水光注射も乾燥対策になります。

Q5. 「水光注射(アンチエイジング、ホワイトニング)」は、どのように乾燥に作用してその効果が得られるのか、教えてください。

A 「水光注射」は、水分をたくさん含んでいるヒアルロン酸を肌内部へ細かく均一に注入することで水分バランスを整え、肌の保水力を上げてみずみずしい肌へと改善する施術です。ただの水分だとすぐに蒸発してしまいますが、ヒアルロン酸は水を抱える力があるので細胞ひとつひとつがふっくらとします。

Q6. 乾燥治療としての「水光注射」は、どのような方にお勧めですか?

A 乾燥や小じわが気になる方、たるみや毛穴が気になる方、皮膚が薄くて小じわができやすい方、透明感が欲しい方などにお勧めです。
また、ボトックスで小じわをなんとかしたいけれど、無表情になるかもしれないと気にしている方にも、ヒアルロン酸ベースにボトックスを組み合わせできるので、ボトックスを皮膚の浅いところに入れることでまろやかにボトックス効果を狙えます。さらに、毛穴もキュッと引き締まります。
「水光注射」には、アンチエイジングとホワイトニングのふたつの作用があると申し上げましたが、それぞれ美容成分を肌状態や肌悩みに合わせて組み合わせできるので、ある意味オーダーメードのようにできますから、カウンセリングで相談されるといいと思います。

Q7. 乾燥治療としての「水光注射」は、どれほどの時間で効果を感じますか?

A 施術したその日は赤みなどが気になるかもしれませんが、翌日にはふっくらとしたハリ感、そして朝お化粧するときに肌の光の反射が変わってくるので実感すると思います。ツヤ、みずみずしさ、透明感などを感じると思います。

Q8. 乾燥治療としての「水光注射」は、こういった症状がある、もしくはこのような体質の人には向かないということはありますか?

A どちらかといえば、肌の薄い方に合うと思います。向かないのは、オイリーな肌質の方。皮膚に厚みがあって、毛穴も広がっていて小じわになりにくいという方よりは、皮膚が薄くて小じわ、ちりめんじわができやすい方に向いていると思います。

Q9. 乾燥治療としての「水光注射」のダウンタイム、注意点(治療後のケア)等はありますか?

A 針で肌に穴を開ける治療になるので、当日はアルコールや激しい運動は控えてください。メイクは翌日からできます。目のまわりだけ内出血することがありますが、ファンデーションで隠せる程度です。翌日まで少し赤みが残る方もいらっしゃいます。

Q10. 乾燥治療としての「水光注射(アンチエイジング、ホワイトニング)」の料金と目安の治療時間、効果効能持続期間を教えてください。

A 治療は麻酔に10分、施術は15~20分程度です。ボトックスを混ぜてその部位だけ深く入れるとか調整したり、顔の中でもいろいろ変えたり工夫したりします。
ちなみに注射前に麻酔クリームを塗布するので、治療中は痛くありませんし、麻酔が切れる頃には痛みは引いています。
効果は、ある一定期間はキープできます。ヒアルロン酸はもともと自分のカラダにあるものなので害はありません。自然に分解されていきます。つまり、永遠にはキープできないので定期的に受けることをお勧めします。ただ、1回に入れられる量は決まっているので、もっとふっくらさせたいなら、次の治療までの期間を1~2週間にして短くするとか。なくなってしまわないうちに、ある程度重ねて注射すれば持ちも長くなります。そのうち、気になってきたら半年後、1年後とかカウンセリングしながら、その人それぞれの周期で。
料金は1回ずつだと100,000円~。セットで定期的に行うとしたら、4回目から60,000円~。3回セットだと21,000円~。最初に回数を決めてもいいですし、途中でボトックスを混ぜましょうとか、その都度カウンセリングで決めてもいいと思います。オプションでボトックスを加える場合は、50,000円~プラスになります。

(本サイトの金額は全て税抜き価格です)

取材・文:中尾 慧里 / Eri Nakao

ビューティライター / チャイルドボディセラピスト
スキンケア、メイクなどの美容や健康に関する取材、執筆を中心に活動。雑誌、ウェブ、美容メーカーのホームページやリリースなど多岐に

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