たるみ症状改善の『ボトックスリフト』
表情ジワの治療法「ボトックス注射」に応用法があることを以前紹介しました。その時は、目や口の形を整えたり、エラを小さくするなど、お顔の形に関することでしたが、なんと今回はたるみに効くそうです。詳しくお話を伺ってみましょう!
Q.1 たるみ症状を加速させる原因を教えてください
A.たるみを引き起こす原因のひとつが筋肉の力です。
顔には多くの表情筋がありますが、それらには、上に引き上げる動きと下にひっぱる動きなど、拮抗する筋肉同士が互いに綱引きをしているような状態です。年齢を重ねると、重力に逆らいながら上に引き上げる筋肉が衰えやすく、たるみが目立ちやすくなるのです。
Q. たるみの治療にはどんなものがありますか?
A.『ボトックスリフト』をおすすめします。
Q.2 『ボトックスリフト』の特徴と効果を教えてください
A.ボトックスリフトの効果が出る機序は、2つあります。
ひとつは綱引き理論。綱引き状態にある筋肉のうち、下にひっぱる筋肉だけを狙ってボトックスを打っていきます。すると、上に引き上げる力が優位となり、リフトアップするという原理です。
そして注射によってできる傷が修復される際、コラーゲン量が増加するというのも、この治療のもうひとつの機序です。
ボトックスリフトは、ごく微量を広範囲にわたり、通常のボトックス注射より浅い箇所に何カ所も打っていきます。顔を下に引っぱる筋肉としてもっとも強力な広頸筋(首の前面の筋肉)にアプローチする場合には、約130ヵ所程度注入するため、その時にできる針穴を修復する段階でコラーゲンが増え、ハリが出るというメリットもあるのです。肌はキュッと引き締められたようになり、毛穴の開きやたるみの改善につながります。
Q. ボトックスを顔に何カ所も打って、痛みは大丈夫ですか? 無表情になる心配はありませんか?
A.痛みを軽減するために、当院では事前に麻酔テープを使用します。
また、ボトックスを用いたシワ治療とは異なり、ごく浅い部分に打つため、表情筋の動きは温存されるので、表情に問題はありません。筋肉の表面組織の働きを弱めることで自然な表情を保つことができます。
Q. リフトアップ以外に、効果はありますか?
A.口角を引き下げている筋肉の働きをゆるめることで、口角が自然と上がり、ハッピーフェイスに近づけることが可能です。
さらには顔汗を抑制する効果も。汗の分泌を司る交感神経の作用をボトックスによって抑え、汗腺の働きを弱めて汗の量を減らすことができます。
また、ニキビ患部に直接注入すれば、脂腺の調整によって改善が期待できます。
Q. どのような方におすすめですか? どのような症状が出ている場合に適していますか?
A.小じわやマリオネットライン(両口角の下から顎につながるライン)が気になる、顔全体にハリがない、毛穴の開きが気になる、首のたるみが目立つ、頬の位置が下がった……など、たるみによる悩みを抱え、スッキリとリフトアップしたいと願う方におすすめです。
Q. このようなたるみには向かないという種類はありますか?
A.頬にたっぷりついたお肉が大幅に下垂したような状態には適していません。
効果的なのは、年齢を重ねて、ハリが衰え、ゆるみによってでる全体のたるみ。『ボトックスリフト』は、目に見えない“フェイシャルコルセット”をつけたような自然な引き締まり感で、数年前の表情を取り戻します。
Q. 施術の料金と目安の治療時間、効果、効能持続期間を教えてください
A.診察、カウンセリングを行った後、施術となります。トータルの所用時間は、90分程度ですが、実際に注入を行う時間は15分程度です。
料金は症状によって違いますので、カウンセリング時に予算を含めて相談させていただきます。(詳細は自由が丘クリニックHP参照)
理想の施術ペースは、4~5ヵ月に1回ですが、3~4回で、下に引っぱる筋肉の働きが弱まり、それ以上、施術の必要がなくなるケースもあります。
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取材・文:金子 優子 / Yuko Kaneko
美容ライター
美容専門誌を中心に、書籍やウェブなど多くのメディアで執筆。スキンケアからメイク、美容医療まで幅広く、専門的な情報をわかりやすく