きちんと処置できる『ホクロ除去治療』
生まれたときからあるホクロ。ある日突然できていたホクロ。 他人から見ると気にならないものでも、本人にとっては 「ないほうがいい」と思うホクロがありますよね。 また、もしかしたら「皮膚ガンかも?」と不安になってしまうホクロもあるかも。 今回は、ホクロ除去治療についてお届けします。
Q.ホクロにはどのような種類がありますか?
A.
ホクロは、医学的に分類すると良性の腫瘍になります。
ホクロのように見えるけれど実はガンだった、というものもありますけれど、それは初めからガンであってホクロではないんです。
ホクロをどういう種類で分けるかはいろいろありますが、ひとつには赤ちゃんの時からある、生まれつきのホクロと、赤ちゃんのときにはなく、年齢とともにできるホクロ。つまり、先天的なものと後天的なもの。この2つで考えるのがいいでしょう。
Q.ホクロができる原因は何ですか?
A.
生まれつきのホクロ、アザをのぞいて、生まれたての赤ちゃんにはホクロは一つもありません。出生後少しずつホクロはでき始めます。
それらは紫外線や活性酸素のほか、様々な要因により発症します。
Q.ホクロとシミは別のものですか?
A.
似たようなものですが、ホクロもシミも、老化現象という意味では一緒ですよね。シミも一部、良性の腫瘍のものがありますし。
また、膨らんでいるか、いないかという点も見分ける目安のひとつ。ホクロはたいてい膨らんでいるものが多い。あるいは、平らで色が黒い。その色が薄かったらシミなのかもしれないですね。
Q.厳密に、ホクロとはこういうもの、というはっきりした定義はないのでしょうか?
A.
一般的にホクロと呼ばれるのは母斑細胞母斑という良性腫瘍で、先天性、後天性、あるいは組織の種類により細かく分類されます。分類すれば『腫瘍』になりますが、放置していても健康に関して有害なことは通常ありません。
ただ、ホクロだと思っているものの中に、悪性腫瘍、つまり皮膚癌が紛れていることもあるので、注意が必要です。皮膚がんの種類によっては、できるだけ早く切除をした方が良いものもあります。
通常のホクロであれば、見た目的にも機能的にも気にならなければ放っておいて大丈夫ですから。あるいは見た目に気になるなら取ってもいいでしょう。
Q. 普通のホクロと皮膚がんは見た目で判断できますか?
A.
良性か悪性か、ある程度見た目でわかることがありますね。ただ、見た目が悪そうな人でも、実はいい人だったりということがあるじゃないですか。ですから、見た目だけでは正確なことはわからないので、細胞をとって調べるのが確実です。
皮膚科や形成外科において、見た目でわかる基準としては、ホクロ自体がきれいな円形なのかガタガタしているのか、周囲がぼやけているのか、とか。
また、成長のスピードもひとつの目安になります。子供の時から何十年もあるホクロが、突然皮膚がんに変化することは通常ありません。今までなかったのに2~3ヶ月で1cmくらいになった、といったように急成長するホクロは注意が必要ですね。
また、手のひらや足の裏にホクロができると悪性と言われたりしますけれど、それも普通のホクロかもしれない。素人判断せずに、皮膚科、形成外科の専門家に診てもらうのがいいでしょう。また、確実に診断を出したいというなら、手術で細胞を取って調べることをおすすめします。
Q.貴院の患者さんで「ホクロを除去したい」という人は、見た目を気にして来院されますか?
A
見た目での顔のホクロの悩みが多いですが、ボディのホクロやイボでも来院される人はいらっしゃいます。
例えば、体の脇近くにあるホクロで、でっぱりが大きかったりすると、ブラジャーのストラップに当たって痛いとか、取れそうになるとか、毎回擦れて血が出るとか。日常生活に支障が出る場合は取る、ということもあります。
Q.貴院において、ホクロ除去治療にはどのようなものがありますか?
A.
昔ながらの切除、縫合を行う手術のほか、レーザーや電気メスで焼く、盛り上がりがあっていない、色だけのホクロやアザはレーザー治療で色を薄くする。大きくわけるとこの三種類の治療法があります。
ほとんどのケースがレーザーや電気メスによる治療で綺麗に除去できます。
ただ、ホクロの種類や大きさによっては切り取るのがいいものもありますし、物理的にホクロができている部位によっては、難しいこともあります。一概にこういうホクロには、この治療法とは言えません。ホクロの症状によって最適な治療法は変わってきますから、クリニックで診断して治療法を決めてください。
Q.ホクロ除去治療で新しい施術はありますか?
A.
先ほどお話ししたとおり、メスで切り取る手術か、電気メスかレーザーで切り取るか、レーザーで色を抜くか。主にこの3種類。その他には、最近ではプラズマというエネルギーデバイスを使用する方法もありますが、特別真新しい手法とはいえないですね。これらの施術の組み合わせでほとんどのホクロはキレイに除去できます。
Q.貴院での、3種類の治療法それぞれ料金を教えてください
A.
ホクロの種類や大きさによって治療回数が変わりますので、目安として参考にしてください。
・切り取って縫う手術 ¥10,000~。保険を使うケースもあります。もしかしたら皮膚ガンかもしれない場合は、細胞の検査もします。
・電気メス治療 ¥5,000~。
・レーザー治療 ホクロの大きさが5mm以下で¥5,000~、5mm~1cmで¥10,000。1㎝×1㎝までのシミは1個¥5,000~。
施術回数は、それぞれ1回で終わることもあれば数回の場合も。これはホクロの大きさや種類によって変わります。
電気メス治療1
電気メス治療2
Q.それぞれの施術の時間はどのくらいですか?
A.
レーザーや電気メスは数分ですね。麻酔をしますので痛みはほぼありません。
表面に見えている部分だけでなく、根の部分まで残さず取りにいくイメージです。
根が残っているとホクロは再発しますので、根こそぎしっかり取りに行きます。しかし、あまり深くえぐりすぎるとクレーターの様になってしまい、きれいに平らに治らないんですね。そういう問題があるので、根が深いホクロはどこまでやるかが難しい。無理に追いかけると逆に目立つ傷跡になるわけです。ですから、無理をせず、できるだけ控えめに治療しています。
もし再発した場合は後日再度治療を行います。根の深いホクロでも治療を繰り返しているうちにキレイに治るものもありますし、何度も再発を繰り返す場合には切除も検討します。
メスで切除し縫合する方法でも通常30分かかりません。切開の痕は残りますが、シワの線に隠すなど目立たないように工夫します。
Q.ホクロ除去治療を受けるベストなタイミングはありますか?
A.
いつがベスト、という時期はありません。
年間を通していつでも大丈夫ですが、あえて真夏にやる必要はないと思います。なぜなら、紫外線や汗が刺激になるので、術後のケアがちょっと大変になるでしょうから。
Q.ホクロ除去治療を受けてはいけない人はいますか?
A.
基本的に受けてはいけないという方はいませんが、ケロイド体質の方は場所や大きさによっては控えたほうがよいケースもありますので、よくご相談された方がよいと思います。
Q.それぞれの施術でダウンタイムはありますか?
A.
どの場合でも、だいたい1~2週間くらいです。治療後はクリニックからの指示に従って、薬を塗ったり、絆創膏を貼ったりといったケアを守ってください。
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取材・文:中尾 慧里 / Eri Nakao
ビューティライター / チャイルドボディセラピスト
スキンケア、メイクなどの美容や健康に関する取材、執筆を中心に活動。雑誌、ウェブ、美容メーカーのホームページやリリースなど多岐に