ボトックスでの花粉症治療

花粉症の人にはつらい季節がやってきました。 現在の日本では、4人に1人が花粉症だといわれているそうです。 春先になると、スギ・ヒノキ花粉に悩まされる人は いろいろな方法を試していると思いますが、 クリニックでも花粉症の治療を行っています。 驚かれるかもしれませんが、その方法は「ボトックス」を使用したもの。 今回は、ボトックスによる花粉症治療についてお届けします。

教えていただく医師
教えていただく先生:あきこクリニック 田中亜希子院長

URL:http://www.akiko-clinic.com/

Q そもそも、花粉症とはどのようなものですか?

A
一般的には、スギ・ヒノキの花粉によるアレルギー性疾患を指します。ただ、生まれつき花粉症の人はいません。

Q では、花粉症になる原因を教えてください。

A
一定量のスギ・ヒノキの花粉を浴びると発症するといわれています。人それぞれに閾値というのがあり、それが高い人もいれば低い人もいますが、その一定量を超えてしまうと発症すると考えられます。まだ発症していないという方は閾値を越えていない、あるいはスギ・ヒノキが少ない地域の方かもしれません。

Q 花粉症の主な症状を教えてください。

A
目のかゆみ、鼻水、肌荒れというか肌がカサカサになったり、肌が敏感になりやすいといった症状が多いです。こちらにいらっしゃる患者さんもこれらの症状ですね。

Q どのくらいの年齢の方が花粉症で来院されますか?

A
20代以降の方が多いですね。メインは30~40代。ほかの症状で通っていらして、「ボトックスで花粉症の症状が軽減される」と聞いて、治療される方が多いです。

Q 「ボトックス」を使った花粉症の治療とはどういったものですか?

A
2種類ありまして、ひとつは滴下。もうひとつは注射になります。
滴下は、2倍に薄めた濃度のボトックスを鼻の中に片側0,4ccずつ注入します。けっこうな量なので一瞬溺れたようになりますが、痛みもダウンタイムもありません。ただ、効果の持続期間が最短で1週間。人によりますが、最長で2ヶ月くらいです。また、症状がどのくらい改善されるかというのも人によります。
もうひとつ、粘膜内に注射を打つ治療法は、薄めずに打ちます。この場合、最短でも1ヶ月効果が持続し、長くて3~4ヶ月なので1シーズン大丈夫です。注射のメリットは、患者さんによって個人差はありますが、確実によくなるのが目の症状。かゆみや涙目がぴたりと止まります。鼻はマスクでカバーできるけど花粉症のメガネには抵抗がある、という方はこちらを選ばれます。

Q 「ボトックス」を使った花粉症の治療は、どのように作用して効果が得られますか?

A
ボトックスには、過剰な神経伝達物質の抑制効果があります。鼻の粘膜に注射することで、鼻の粘膜の副交感神経の興奮を抑える効果があり、花粉症の症状を緩和します。

Q 貴院では、滴下と注射では、希望が多いのはどちらですか?

A
ボトックスの花粉症治療として、滴下しかやっていないクリニックも多いので、こちらのクリニックでは注射を選ばれる方が多いですね。
注射は痛みがありますが、塗る麻酔をしますし、本当に一瞬で終わりますから。それで数ヶ月、花粉症の症状が緩和されるのでおすすめです。

Q 「ボトックス」を使った花粉症の治療は、どういった方が選ばれますか?

A
抗アレルギー薬だと眠くなることが多いので、仕事では使えないといった方が多いですね。また、いろいろ治療をやってみて、注射にたどりつくといった方もいらっしゃいます。
症状が出てから打っても花粉症の症状が治まるので、シーズンが到来してから注射をされる方もいらっしゃいます。

Q 「ボトックス」を使った花粉症の治療の時間、料金を教えてください。

A
滴下の場合は、両鼻1回¥15,000。注射の場合は、両鼻1回¥20,000です。
どちらも施術自体は5分程度あれば十分ですが、注射の場合は麻酔に20分ほどいただきます。人にもよりますが、どちらも1回で治療後から効果が出ます。「ボトックス」を使った注射による花粉症の治療はあまりやっていないので、花粉症に悩んでいる方はぜひ1度ご相談ください。

(本サイトの金額は全て税抜き価格です)

取材・文:中尾 慧里 / Eri Nakao

ビューティライター / チャイルドボディセラピスト
スキンケア、メイクなどの美容や健康に関する取材、執筆を中心に活動。雑誌、ウェブ、美容メーカーのホームページやリリースなど多岐に

関連エントリー