シミの症状軽減に効く『レーザー治療』

そばかす、肝斑、色素沈着・・・と、シミには様々種類があることはご存知ですよね。 そして、シミの種類によって適したレーザー治療があるのを知っていても、具体的に何が適しているのかまでは、意外と知らないのでは? 改めてそこからお話しをうかがいました。

教えていただく医師
教えていただく先生:アヴェニュー表参道クリニック院長 辻晋作院長

URL:http://www.a6-clinic.com/

Q.シミには、種類があると聞きました。どんな種類がありますか?それぞれの違いと、できる原因を教えてください。

A.
シミとは、肌の上にできる色素トラブルの総称であり、そばかす、肝斑、脂漏性角化症(老人性イボ)、老人性色素斑、色素沈着など、種類があります。
また、よくシミと勘違いされやすい症状としては、ADM(遅発性両側性太田母斑)というアザがあります。それぞれの違いや原因は、下記の通りのです。

★そばかす
先天的に組み込まれている遺伝的なシミであり、幼少時(8~9歳くらい)に出てくることが多いシミです。
小さな斑点が鼻を中心に顔中に広がり、色は茶褐色。
紫外線の影響で濃くなることがあります。

★肝斑
シミのようにはっきりした色ではなく、輪郭のないモヤ~とした色素が、頰や鼻の下、額などに左右対称にできるケースがほとんど。
女性ホルモンが影響していると考えられ、多くの人は30~40代くらいから出はじめます。“色ムラ”と呼ばれる肌トラブルの大きな要因のひとつでもあります。

★老人性色素斑
紫外線由来のシミ。
年齢を重ねて肌の新陳代謝が悪くなると、紫外線を浴びて肌内部につくられたメラニンを排除しきれなくなり、蓄積した色素トラブル。

★脂漏性角化症(老人性いぼ)
イボ状に盛り上がったシミの進化系。
老人性色素斑と原因やできるメカニズムは同じで、シミの角化が進み、隆起したもの。

★色素沈着
色素沈着は、肌が刺激されることで色素細胞から過剰に分泌されたメラニンが肌に沈着してしまったもの。
その刺激の原因となるのが、炎症であり、日焼けやニキビ、傷や虫さされ痕などの色が茶色く残ってしまいます。衣服の擦れ、体を洗う時の刺激などの摩擦刺激も影響します。

★ADM
肝斑と同じように頰や目のまわりなどに左右対象にできる青色のアザ。
肝斑と勘違いされがちですが、ADMは肌の内側にくろさがあるのが特徴で、遺伝的なもの。

★ほくろ
ほくろは、シミに分類されませんが、実は、ほくろも、増える一番の理由は、紫外線にあります。
そのため肌を露出し、日にあたりやすい場所にできやすく、逆にいえば、紫外線をガードすることでほくろの増加を防ぐことができます。

Q.シミ治療の代表的な施術を教えてください。その特徴や効果、どのようにシミに作用するのかを解説してください。

A.
★ライムライト
日本人のために開発された光治療マシン。
メカニズムを簡単に説明すると、メラニンに光を吸収させて焦がします。
その異物となったメラニンがターンオーバーを利用して外に排出されるため、よく体験者が話すような「シミ部分がかさぶた状態になり、4~5日でポロポロが剥がれ落ちた」という現象が起こります。
この治療にもっとも向いているのがソバカス。
脂漏性角化症(老人性いぼ)も、盛り上がりがほとんどなく色素のみを改善する場合には、ライムライトで対応可能です。
目安の治療時間としては、1回で大きな効果実感を期待できます。
逆にこの治療に不向きなのが、肝斑。焦げるという強い刺激が肝斑を濃くする可能性が高いので、使用することはありません。



写真提供:アヴェニュー表参道クリニック





写真提供:アヴェニュー表参道クリニック

★アキュチップ
光治療でありながら、スポットでの照射が可能なマシン。
シミ部分のメラニン色素を破壊して薄くするというピンポイントの治療ができるので、「このシミだけ取りたい」というような人におすすめ。
ライムライト同様、脂漏性角化症(老人性いぼ)の色素のみをケアする場合には、アキュチップも効果的。
レーザー治療と比較して術後患部にテープを貼ったり、メイクの制限がないという手軽さも魅力です。ソバカスや老人性色素斑の治療に適しています。

★レーザーブライトニング
一般的にはレーザートーニングと言われている治療で、メラニン色素に反応するQスイッチヤグレーザーを弱い出力で肌に照射していきます。
繰り返し照射することで、肌の中に滞留しているメラニンを少しずつ破壊し、減らしていくことで、おだやかにシミやくすみ、色素沈着を改善へと導きます。肌への負担や刺激がほとんどないので、色素沈着の起こりやすいVゾーンや脇の下などデリケートな部分の治療にも最適。
また、肝斑にもADMにも効果的です。
当院では、ADMの治療として積極的に取り入れています。
ADMに対して結果を出すには、週1回ペースで1~2ヵ月続けることが大切です。
そこで、当院ではレーザートーニング治療においてフリーパス制度を設け、より通いやすい環境をつくっており、照射頻度を増やすことでADM治療にいい結果を出しております。



写真提供:アヴェニュー表参道クリニック





使用前 写真提供:アヴェニュー表参道クリニック





使用後 写真提供:アヴェニュー表参道クリニック

★ピコトーニング
ピコトーニングは、ピコ秒(1兆分の1秒)レーザーを用いたレーザートーニング治療です。755nmという新しい波長で今まで他の治療で何度治療しても取りきれなかった薄いシミへの効果が期待できます。
照射のときに出る熱を溜め込まず、より肌に優しく治療を行うことができます。

★ほくろ
ほくろは、手術によって切り取る場合とレーザーで色素を抜くという2つの方法があります。
どちらの手段が適している、どちらならできるという判断は、診察してみないとわからないといので、気になる方は、ぜひ無料カウンセリングにいらしてください。

Q.このようなシミに、この治療はむかないということはありますか?

A.ここまでも説明してきたように、シミというのは、種類があり、原因も治療法も異なります。大人の肌には、いくつものシミが混在しているため、複数の治療を組み合わせなければならないことがあるということを理解していただきたい。
ADMにライムライトをしても効く可能性はほとんどなく、肝斑にアキュチップを照射すれば、確実に濃くなります。
アキュチップは手軽な価格なので希望される方が多くいらっしゃいますが、消したいと思っているシミの背後に肝斑が重なっている場合には、状況が悪化するため、治療できないこともあります。
シミは、治療法の選択が非常に難しいので、信頼できるクリニック、ドクターに任せるのが、改善への近道になると思います。どれくらいの治療が必要であり、いくらかかるのかというのは千差万別。ご興味がある方は、ぜひ無料カウンセリングでご相談ください。

Q.施術の料金と目安の治療時間、効果効能持続期間を教えてください。

★ライムライト
料金:全顔1回 ¥45,000
目安の治療時間:
肝斑は、一回でもいい結果が出ることがあります。
老人性色素斑に関しては、シミの度合いによりますが月1回のペースで、3~5回程度の治療で良化が認められるので、その後は1シーズンに1回の治療をおすすめします

★アキュチップ
料金:1ショット(照射スポット直径6.35mm)¥2,500
目安の治療時間:
1回の照射でシミが薄くなるのを実感していただけると思います。
回数を重ねるほど色素薄くなり、一般的には3~5回で解決できるケースが多いです

★レーザーブライトニング
料金:1ヵ月 ¥50,000
目安の治療時間:
肝斑であれば1クール、ADMであれば2クールがおすすめです。
ただし、ADMの場合、間に時間をあけてもいいので、立て続けに2ヵ月通わなくてもOKです

★ピコトーニング
料金:1回 ¥30,000
目安の治療時間:
月に1~2回程度行うのが理想的です。

Q.施術直後の注意点はありますか?

ダウンタイムのあるレーザー治療の場合は、炎症を起こしている部分に紫外線が当たると、色素沈着につながる可能性があるので絆創膏などのテープで患部を保護する必要があります。
光治療に関しても、せっかくシミの治療をしたのに、日焼けすると再びシミの原因となるので、日常に必要なレベルの日焼け対策をおすすめしています。

(本サイトの金額は全て税抜き価格です)

取材・文:金子 優子 / Yuko Kaneko

美容ライター
美容専門誌を中心に、書籍やウェブなど多くのメディアで執筆。スキンケアからメイク、美容医療まで幅広く、専門的な情報をわかりやすく

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